アルバトロスの悲哀

by Saito 2013年02月11日

皆さまは「アルバトロス」という鳥をご存知でしょうか?

この言葉を一番耳にするのはゴルフだと思います。ちなみに、ゴルフで言うところのアルバトロスとは(僕も全然詳しくないですが)、そのホールに設定されている基準のスコア(パー)からマイナス3打でカップインするというものです。翼で風を巧みに使い、何よりも遠くへ飛翔するアルバトロスの姿からちなんだ名称らしく、その他にもダブルイーグルなんて言い方もされていますね。これがとっても難しいわけです。

ただそんなことは今回どうでもいいわけでして、このアルバトロスという鳥、日本名を「あほうどり」というのです。こちらの名前はどこか耳馴染みがあるのではないでしょうか?というか、僕はアルバトロスというのが鳥の名前だったということすら最近まで知らなかったのですが、まさか「あほうどり」のことだったという事実に2度驚きました。人が近づいても恐れず、捕まえるのが簡単だったことからこの名前がついたそうですが(羽毛目的の乱獲から絶滅危惧種にも指定されていました)、アルバトロスを「あほうどり」と名付けるセンス…凄すぎて震えます(笑)。

一方では、その雄々しい姿からゴルフ界で名を馳せ、また一方では、人間の身勝手から絶滅の危機に陥らされながらそれでも復活する、そんな誇り高き「あほうどり」にどこか好感と悲哀を感じてしまいました。

親知らずの行方

by Saito 2013年02月4日

以前にここでお伝えした新年早々親知らずを抜くというお話、先日ついに抜いてきました。とは言ってもまだ半分だけなのでまた何週間後かに抜きに行ってくるのですが、正直どきどきでしたね。歯を抜くのも何年ぶりか、しかも親知らずはこの年になるまで一本も抜いた事が無かったので、歯医者さんの前にしばらく立ち竦み「よし、行くか!!」と気合いを入れて扉を開けました。左の上下をおよそ1時間ほどで抜いてもらったのですが、麻酔をしてもらってるとはいえ音が聞こえるじゃないですか(当たり前ですけど)。タオルで視界を隠されていたので、完全に音だけの演出。怖かったですね。しかもそんな時にだけ「いつもは泣かない〇〇ちゃん」という、たまたま同じ時間帯に治療を受けてた子がものすごい勢いで泣いてるし…。タオルの下で大人も泣いていいかなと震えていました。

特に炎症を良く起こしていた左下の親知らずは「もう親知らずにもほどがある!」というくらい真横に生えてきていて、あげくに隣の歯に食い込むという無頼漢だったので手間がかかりました。歯を三分割に砕いてそれから抜くという、さらに歯茎に結構埋もれているのでそちらも切って縫うというわがままっぷり。おそらく4分の3くらいはこちらに時間がかかっていたように思います。「では上の歯に取り掛かりますね」と言われた瞬間に「お疲れさまでした〜」と言われたほど左上の親知らずはあっという間に抜けていました。ほとんど初めて見る大人の奥歯はでかいですね、びっくりしました。お医者さんとそうこう話をしてふと気が付くと、「〇〇ちゃん」は泣き止んでパパと一緒に帰ったご様子。僕も痛み止めをもらって帰りました。結果無事に左方面の親知らずは抜けたわけですが、まだまだ治療は続きますね…とほほ。

 

和みの心

by Saito 2013年01月28日

「和」という漢字を考えた時に、何か自分の中に脈々と流れるものを感じる気がします。和と言えばもちろん日本の事ですが、その文化と言いましょうか。自分の生まれる遥か前からそこには綿々と続くものがあって、その先端の方に今の自分は立っているのだろうと。大昔は「倭」と辺境にある文化の少ない国として呼ばれていたのに対し「いやそうじゃないんだ、自分たちは和なんだ」と読み方はそのまま漢字を変えてしまうユーモア。そして「平和」という言葉。どこか日本人の基本にはそういったものがあるような気がしてしまいます。チョンマゲ、ゲイシャ、フジヤマ、日本的なものを表す具体的なエッセンスは何にせよ、この文化の底にずっと流れている「和み」を想うとき、何か少しだけこの脈々と流れるものを垣間見れた気がしてしまいますね。

HURT RECORD / 著作権フリー音楽(BGM) Vol.4「和風」

成人の雪

by Saito 2013年01月20日

先日、丁度「成人の日」にまれに見る大雪が降りましたね。あっ!!成人の皆様おめでとうございます。自分の事は思い出すのも憚れるくらい過去の事なので割愛致します。久々に積もる雪を前に、大はしゃぎで外に飛び出し、結果風邪を引いた始末でございますが、本当に一面真っ白な景色は「いつもの景色を全く違うものにするな」と改めて思いました。そしてはしゃぎきった翌朝、仕事に行きがてら道を歩いていると、ご自宅の前を雪掻きされている方達を其処此処で目にしました。以前も見かけていたのでしょうが、今回は特にその方達が印象に残りましたね。きっと誰に頼まれたわけでもなく、「ああ、こうして道を歩きやすくしてくださってるのか」と自然と感謝していました。…今さらなような気も致しますが。ただその事に気が付くと「町の一体感」とでも言うのでしょうか、そのようなものも同時に感じていました。

またその雰囲気がいつもの景色を全然違うものに見せてくれて、なんだか不思議な気分でしたね。

鮫の息遣い

by Saito 2013年01月14日

「新宿鮫」という小説を皆さんは読まれたことがありますでしょうか?「え?今さら?」と仰る方も多いと思いますが、その通り今更なのです。いわゆるハードボイルドと呼ばれるジャンルのこのシリーズは、1990年に第一作が刊行されてから、現在までに第十作が発表されていますが、作者の大沢在昌さんの作品群の中でも、文字通り代表作と呼ばれるシリーズなのだそうです。映画化されたりドラマ化もされているので、そちらでご存知の方もいらっしゃるでしょう。

元々、ハードボイルドというジャンルが好きだというのもありまして、大沢在昌さんの作品は以前から大好きでよく読んでいたのですが、なぜか新宿鮫にだけは触れずにいました。「新宿鮫」というタイトルは聞いたことがあるけど、それがお気に入りだった作家さんの作品だったとは、最近まで気付かずにいたという始末。気が付いてからも「…シリーズがたくさん出てるしな」と敬遠してきたのです。今思えば不明を恥じるばかりですね。読み始めると一気に読んでしまいました。もし未読の方がいらっしゃれば実際に読んで頂ければと思いますが、ただ面白い!!シリーズの中でも個人的に好きなのは「毒猿」というタイトルです(これは第二作目なのですが、実はこれから読み始めてしまいました)。

この「新宿鮫」の一件のおかげで、小説に限らず音楽でもそうですが、その作者の代表作といわれるものに触れるというのは大切だと改めて感じさせられました。今回は幸いな事にその他の作品を先に知っていたので、実際に触れてみるとその作者の集大成的なものも感じられ、代表作と呼ばれるのにも素直に納得がいきました。発表から20年を越え、そのクオリティを落とす事無く、むしろ上げていきながらシリーズを続けていくというその凄さと難しさ。色んな事を考えさせられながら、今このタイミングでこの作品と出会うべくして出会ったと勝手に感じてしまいます。その息遣いをずっと感じながら、まさに今食い付かれたという。まだ未読の方がいらっしゃいましたら、是非お勧め致します。