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by Saito 2012年04月7日


先日、栃木県の足利にある「田崎草雲美術館」へ行ってきました。田崎草雲という人は幕末から明治にかけて活躍した日本画家で、その画韻が宮本武蔵に近かったからか、「明治の二天」と呼ばれたりしたそうです。

 

この美術館は実際に創作の場として使用していた工房の敷地内に建てられたもので、その工房の中まで拝見させて頂きました。工房の縁側に座らせて頂いた際、この踏み石に足をのせながら、同じように庭を眺めたりしていたんだろうかとか想像したりしました。

 

田崎草雲は画家として活躍しただけではなく、幕末の動乱から足利藩を救った人でもあります。この人は剣もめっぽう強かったそうで、若い頃は相当荒っぽかったらしく、当時の書画会(今で言う展覧会みたいなもの)では、よく喧嘩をしていたそうです。口喧嘩じゃないですよ。

 

この田崎草雲という人を初めて知った時、あまり画家だという印象を持ちませんでした。ただ、こういう人がどんな絵を描くんだろう、一度観てみたいという興味がとても湧きました。実際に観に行けてとても良かったです。力強さや静かな迫力が込められた作品の中に、とても構図が計算されているもの色使いや絵柄が可愛らしい作品もあって驚きました。作者の人柄をその作品から想像すると、また違った印象を受けますね。美術館を後にする頃には、当初のイメージとは大分変わっていました。